15『神炎と調和』

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俊和の挑発で絵梨花から矛先をずらすことは出来たが、今度はまとめて相手すると言い出したギスアーク。 一体何をするつもりなのか。 「降り注げ無数の流星よ。 ギガンメテオ!」 彼は部屋の中心に移動すると剣を高く掲げ魔術を放った。 すると天井より無数の隕石が降り注いだ。 しかも一つ一つが普通に大きい。 「皆さん、出来る限りは俺が防ぎますが溢した分は自分で対処して下さい!」 まともに受けるのは危険だと判断したラインオルトはすぐさま一同に警告。 続けて俊和達を守るようにドーム状のバリアを展開した。 「マジかよ! 皆、隕石に備えるぞ!」 天井を見上げ巨大な隕石を大量に確認した俊和はその場に留まりながら一同に言い放った。 「さあ、逃げろ! 守れ! 一瞬の油断が死を招くぞ!」 やむを得ず防戦に回された俊和達を見ながらギスアークはさぞ楽しそうに言い放つ。 そんな中絵梨花だけは動じず、少し呆けた様子で隕石を見つめていた。 「絵梨花、どうした?」 「このバリア、うまく使えば利用出来るかもしれないわ。 ラインオルト、借りるわよ!」 何かに気が付いたのか絵梨花は大鬼の言葉には答えずそう言うとバリアに向けて手を掲げた。 「お願い、反応して…」 「貴様ぁ! 何をしている!」 ギスアークは絵梨花が自分にとって良くないことをしていると悟ったのか妨害すべくバリアへ突撃を始めた。 どうやら隕石を放ちさえすれば自身は自由に動けるようだ。 「皆さん、絵梨花さんを守りましょう!」 現状は絵梨花が頼みの綱だと感じたラインオルトは一同に指示を出しながらバリアの展開を続ける。 指示を受ける前からそれを薄々勘づいていた俊和達はギスアークを絵梨花に近付かせないべく立ち塞がる。 「少しでいいから付き合ってもらうぜ!」 大鬼は、ニィ、と笑いながらギスアークの方へ向かって行く。 対するギスアークは彼の発言を鼻で笑った。 「ふん、我には遠距離攻撃があるのを忘れたか!」 ギスアークは普通に接近するのは間に合わないと悟ったのか突撃の足を止め、先程ラインオルトを妨害した闇の槍で絵梨花を攻撃する。 「させるか!」 しかし、これは俊和に先読みされてしまい、地面から現れた瞬間を彼の槍に阻まれてしまった。
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