15『神炎と調和』

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「皆、お待たせ! 行くわよ、リバース・ディフレクト!」 ここでようやく絵梨花の準備が完了。 彼女がバリアに魔力を送り終えると今までバリアを攻撃していた隕石は一斉にギスアークへ向けて反射。 なんと絵梨花は百合美がよくやる反射をラインオルトのバリアに付加させたのだ。 「我の隕石を反射だと!? 舐めた真似を!」 これはギスアークもさすがに予想外だったのか再び攻防が逆転する。 彼は隕石攻撃を止めると反射されてしまった隕石の破壊に専念。 破壊された隕石の破片は俊和達の進路を阻んだが、大した支障にはならなかった。 ここぞとばかりに彼らは反撃に出る。 「百華炎十槍!」 まずは俊和はお馴染みの十字斬りで先陣を切る。 これはギスアークのお腹を見事に捉え、俊和も初ダメージを達成。 「疾風裂閃(しっぷうれっせん)!」 続けて聖菜がギスアークに接近し、薙刀で何度も彼の右腕を切り裂く。 最後に薙刀を突き出しながら走っていき距離を取った。 「くらいやがれ! ロックボンバー!」 最後に大鬼が背後から接近し、瞬時に生み出した岩石を大爆発させた。 これは海戦でも使用したが、心なしか威力が上がっているように見えた。 絵梨花とラインオルトの連携プレーから反撃の糸口を掴んだ俊和達はここにきてようやくまともな反撃に成功。 これは大きな一歩だった。 しかしまだ勝ちが決まったわけではない。 故に彼らは油断なくギスアークを見つめた。 「よもや我の体にここまで傷を負わせたか… 久しいな。 10年前の戦いもそうだったか。 だが、同じ過ちは二度繰り返さん! 我はもう封印されぬ! されるわけにはいかぬのだ! うがぁぁぁぁ!」 傷を負った自らの体を見たギスアークは吠えるように叫ぶと耳を塞ぎたくなるような声量で咆哮。 自らを奮い立たせるかの如く、彼の声は部屋全体に響き渡った。 「ハウディス戦や海戦の消耗を考えると戦いを長引かせるのは得策じゃない。 どうする?」 まだ倒れそうにないギスアークの様子に俊和は一番近くにいたラインオルトに意見を求めた。 すると彼は悩むことなくそれに答える。 「いつも通りで大丈夫だと思いますよ。 とどめ役と囮役に別れましょう。」 「まあ、それが一番無難だよな。」
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