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彼は絵梨花とは対照的に強気だった。
最も弱気になられては困るのだが。
「ここからは今までとは訳が違うぞ。
覚悟はいいな!」
俊和達の様子を見ながらギスアークはそう言い放つと大音量で咆哮。
それが戦闘再開の合図となった。
「行くぞ!」
再開早々ギスアークは先程まで使わなかった空間移動を発動させ俊和達の目の前へ。
彼らが反応する前に絵梨花の体を掴むとそのまま空中へ連れ去った。
「なっ、絵梨花!
今行くからな!」
絵梨花が連れ去られて動揺した大鬼は自身も飛び上がり空中へ。
しかし、これは誘っているのだと他のメンバーはすぐに勘づいた。
「大鬼さん!
ギスアークは誘っているだけです!
引き返して下さい!」
「絵梨花を離せやクソ野郎が!」
すぐさまラインオルトが忠告するが今の彼には届かない。
突然の出来事に冷静な判断が出来ていないのだろう。
「ふん、こんな奴返してくれるわ。
ただし―」
ギスアークは十分に絵梨花を握り締め、ダメージを与えると大鬼に向かって放り投げた。
しかし、これで彼の攻撃は終わらない。
「このおまけ付きでな!」
ギスアークは絵梨花と大鬼をちょうど直線上になるよう微調整すると闇属性のブレスを口から発射。まんまと誘いに乗ってしまった大鬼は無防備な絵梨花と共にそのブレスを受ける羽目に。
「ちっ、くそったれがぁ!」
絵梨花を空中でキャッチするとすぐさま防御態勢に入るが、防御が得意ではない大鬼ではさしてダメージが軽減出来ない。
「ぐあっ!」
ほとんどダメージが軽減出来ないまま絵梨花の身代わりになるような形で大鬼はブレスを受けるとそのまま地面に叩きつけられた。
「げほっ、げほっ!
大鬼、大丈夫!?」
ギスアークに締め付けられてまともに息が出来ていなかった絵梨花だったが、地面に叩きつけられることでようやく自由になる。
この時ようやく彼女は大鬼が自分の身代わりになってくれたことに気付いた。
「まだまだ行くぞ!
ギガンメテオ!」
大鬼のことが心配な絵梨花だが、ギスアークの攻撃は止まらない。
彼は先程、絵梨花に跳ね返された隕石の魔術を再び発動。
形態が変わったからか先程と比べると隕石一つ一つがさらに巨大なり、速度が上がっているのは明らかだった。
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