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あれをまともに受けるのは間違いなく危険だった。
「主達は傷つけさせません!」
すぐさまラインオルトが先程と同じくドーム状のバリアを展開する。
だが、先程とは桁違いの威力にバリアはあっさり突破されてしまう。
「まだだ!」
さすがに同じ手は通じないと悟ったラインオルトは魔力を高め金色の毛に覆われた元の姿に戻るとさらに強いバリアを展開した。
これにより隕石が俊和達に降り注ぐことはなくなったが、ラインオルト本人はかなり辛そうだ。
「ラインオルト、サポートするわ!」
辛そうなラインオルトを見ていられなかったのか絵梨花が大鬼を治療しながら彼に言い放つ。
しかし、ラインオルトは首を横に振った。
「貴女は大鬼さんの治療に専念して下さい!
隕石は俺が引き受けます!」
「させるかぁ!」
このままラインオルトを放置するのは得策ではないと判断したギスアークは魔術が発動している最中にも関わらず動き出すとラインオルトに向けて突撃を始めた。
「ラインオルトのサポートは俺が行こう!」
「俊和、私も行くわ!」
ラインオルトが狙われていることが分かると俊和は彼を守るべくギスアークを迎え撃つ。
それを見た聖菜は俊和に続いた。
「どけぇ!
雑魚が!」
立ち塞がったに二人に向かってギスアークは剣の刀身を魔術で一時的に巨大化させると、それを横になぎ払った。
二人はこれを避けるわけにはいかないため、各自武器でこの一撃を防ぐ。
しかし、この一撃で二人はギスアークから見てラインオルトとほぼ横一列というところまで押し込まれてしまう。
これでは彼を守るために前へ出た意味がない。
「うるぁ!」
「がはっ!」
案の定ラインオルトはギスアークの体当たりを受けてしまい、彼がダメージを受けたことで隕石を防いでいたバリアは消滅。
これにより隕石は一斉に俊和達へ降り注いだ。
「ぐあっ!」
「きゃあ!」
まともに防ぐ術を有していない彼らはこれをただ受けるしかない。
そんな彼らを見てギスアークはさぞ楽しそうに笑う。
「くははは!
消えろ、消えろ!」
ギスアークはさらに追撃すべく八属性のブレスを部屋全体に次々と吐き散らす。
しかし、ギスアークにしては珍しくこれは誰かを狙って放ってはいないため、半分くらいは無駄撃ちに終わる。
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