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「いくぜ!」
太った男の合図で二人は武器を手に聖菜へと襲い掛かった。
痩せた男は武器が軽いため先に接近する。
「おら、くらえ!」
右手のナイフを腹目がけて突き出す。だがその一撃は空を斬った。
すでに聖菜は背後に回り込んでいたからだ。
しかし痩せた男の背後ということは形的に二人に挟まれる状態に。これはどう見てもミスだった。
太った男はゲラゲラ笑いながらハンマーを振り下ろした。
「自分から挟まれに行くとは馬鹿な奴め。終わりだ!」
二人は勝利を確信したが、これまたハンマーも空振りに終わった。
「えっ?」
二人は信じられない光景を目にした。
なんと聖菜はハンマーの上に乗っていたのだ。
そこから二人を冷たい視線で見下ろした。
「ただ前から真っすぐに攻撃する。
そんな単純な攻撃が当たるとでも思っていたの?
攻撃というものは…」
聖菜は台詞と共に薙刀を構え直した。さらに自身の属性である風を纏わせる。
「こういうものだ。閃月斬(せんげつざん)!」
彼女はハンマーの上で器用に薙刀を手に一回転した。
前後にいた二人に薙刀の一撃が直撃する。
円を描くようにその場で一回転し、周囲の敵を攻撃する技、それが閃月斬だ。
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