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閃月斬に斬り裂かれた二人はその一撃でダウンした。
凄まじい威力である。彼女は気を失った二人を見下ろしながら小声で呟いた。
「基礎から出直しな。あと、相手はよく選ぶことだね。」
「おいおい、なんだこの状況は?」
その声に聖菜はハッと顔を上げた。
そこには呆れた表情の大鬼が立っていた。彼は倒れている二人をつっつきながら聖菜に尋ねた。
「お前がやったのか?」
「そうよ。貴方のところの手下でしょう、そいつら。ちゃんと面倒見なさいよ。」
「わりぃ、人数多いから全員の面倒は無理だ。
まあ良かったぜ。こいつらに倒されちまってたら楽しみがなくなるところだった。
さすがだな。」
大鬼が人を褒めることは珍しいため聖菜はなんとも言えない心境になった。
けれどその和んだ雰囲気は一時的だった。大鬼から凄まじい闘気が放たれたからだ。
さらにいつの間にか彼の両手には爪が装備されていた。
「さあ、喧嘩、始めようか。」
「いいわよ。来なさい。」
聖菜の言葉に大鬼はニィと笑い、地面を蹴った。
昼休み同様猛獣のような動きで聖菜に右手の爪を正面から振り下ろす。
(左手は?)
聖菜は右の爪を薙刀で防御しながら左の爪の一撃がどこから来るかを探した。
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