-持田 朱美-

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私は大きくため息を付き病室を見渡した。 眩しい朝日が窓から差しており、その光はうつ伏せているお母さんをキラキラと照らしていた。 お母さんはベッドの横に椅子を置き、ずっと傍にいてくれたらしい…。 「…本当にずっと付いていてくれたんだね…。」 私はお母さんの肩から落ちかけていたブランケットを掛けなおそうとしたのだが、その時だった。 「…えっ!?」 とんでもないものを見てしまったような… そんな気分で身体が固まり、思わず大きな声を出してしまった。 その声に気付き、お母さんが目を覚ます。 「…あら…やだ… 私ったら寝ちゃったのね。…具合はどう?」 そう語りかけてくるお母さんは… 明らかに私のお母さんではなかった…。
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