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リビングへ下りた私はテーブルに用意してあった朝食の食パンを口に頬張り、お弁当箱を鞄の中へ詰め込んだ。
「ちょっと、下品よ?テーブルに着いてからご飯食べてくれる??」
お母さんがムッとして言った。こんな光景もいつもの事なんだけどね…。
「だっふぇ(だってぇ)~…いかぁんふぁんふぁもぉん(時間無いんだもん)」
そんなお母さんに対して私はお構いなしに口をモグモグ動かしながら話した。
その時、ふと目に付いたテレビの時計は8:00になろうとしていた。
「ん~!!ゴクンっ!…ヤバい!!もうこんな時間!?遅刻しちゃう!!」
そんな慌てる私を見て
お母さんは更にグチグチ言い出す…
「だから早くしなさいって言ってたじゃないの!?
だいたいあなたはねぇ!いつものんびり起きてきて…」
「はいはい~!いってきまーす!!」
私はお母さんの言っている事も全く聞かず、玄関へ向かうと靴を履き家を飛び出した。
「もぉ…あの子はいつになったら落ち着きのある子になるのかしら…?」
「姉ちゃんはずっとあのまんまでしょ。」
横で2人のやり取りを見ていた弟・要(かなめ)が呟いた。
「…お母さんもそう思う。」
こうしていつもと変わらない持田家の朝が来て一日が始まる予定だったのだが…。
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