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「朔~、起きて。もう10時よ。」
ポカポカと温かい日差しが部屋を包む。
布団にくるまる愛しい人の体を揺すり、毎日の日課、寝起きの悪い旦那様を起こす行為に入った。
「ん~…嫌だ。」
掠れた低い声が微かに反抗する。
「も~…」
私はため息をつき、ベッドの隅に腰を下ろした。
愛しい旦那様、朔は昔弟への嫉妬心から心が一旦歪んだせいか…心がとても幼い。
すぐ焼きもちは妬くし、すねるし。
だけど今では弟、海斗夫婦とも仲直りを済ませ段々と年相応に近づきつつあった。
……私以外の前では。
私に対しては未だ子供のように甘えワガママも言う。
結婚して一年経った今でも、だ。
まぁ…そういうところも可愛いんだけどね。
ぼんやりタンスを眺めつつ考えていると、腰の辺りに腕が巻きついてくる。
クスッと笑い、私はその腕をそっと撫でた。
「ほら、起きて?お義父さんとお義母さんが待ってるわ。」
「えー…もうちょっと…」
そう言い、私のお尻に頬を擦り寄せてくる。
結婚と同時に朔の両親と同居を始めたが、関係は良好だ。
2人ともとても良くしてくれる。
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