1×白球少女

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それは三日前のことだった。 俺は学校からの帰宅中に たまたまそこにあった公園に 立ち寄っていた。 別にすることもなかったし、 寄る気もなかったけど、 ただ何となくって感じで 公園に足を踏み入れていた。 その公園は、だいたい普通の 広さで遊具はどちらかといえば 豊富なくらいそろっていた。 そんなことを観察しながらも 少ないながらそこら辺に 設置されていたベンチに腰を降ろした。 平日だからといったわけではないが 公園にしては珍しく、 遊んでいる子は一人もいない。 誰もいない公園で たった一人、何かを考えることもなく ただそこに座っていた。 そんな俺は 何かを考えることもなく 右手を見つめた。 でこぼこのたこが目立つその手の平は今まで何かを 頑張っていた証だった。 でも…、 その時も二年前に留まっている。 俺は無言で左足を撫でていた…。 静かな公園では 何も聞こえず、 ここの時も留まっているように 思えたが…、 カキィーン… どこか遠くで 聞き覚えのある金属音が響き、 現実へと押し戻された。 ああ…そういえば、 横にグランドがあったな…。 その時の俺はそんな風にしか 思わなかった。 ただ、一瞬、その一瞬で 考えは覆された。 座っていたベンチの横、 俺が座っていない 余った部分に白球が突き刺さるように直撃したのだった。 「…え?」 俺はそんな言葉しか 口から出てこなかった。 だって、いくら横がグランドったって、 それなりに距離はあるし、 第一、普通にホームランの 飛距離なのだから。 少し呆然としたのち、 俺は少し離れたところまで 転がっていたその白球を 掴み上げると、 そのボールのサイズを確かめる。 C…ジュニア用? 正直いえば驚いた。 何てったって確実にホームランという飛距離を小学生が打ったっていう証拠のようなものだったから。 そして、その推測は 現実となった。 そして、さらに驚かされた。 ボールをとりに来たのは あまりにも小柄な女の子だったから―。
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