プロローグ

9/13
前へ
/41ページ
次へ
目を覚ます。 最初に見えたのは、星空だった。 「大丈夫?ごめん俺」 彼の言葉を私は手で止めた。 あの時、やらなければ彼は死んでいたと思う。 だから私は抵抗しなかった。 それだけなのだ。 能力はヴァンパイアあたりなのだろう。 「ちょっと驚いた」 私が冗談を言っても、彼は納得いかない顔をする。 「あなたが初めてだよ。私を食べたの…」 「え?」 私の言葉に驚いているようだった。 「私は…化物だから…私を食べたら死んじゃうかと思った」 私は自分の秘密を打ち明けた。 彼は驚いていなかった。 たぶん血を吸った時に気付いたのだろう。 まだ首が痛む。 「ごめん。まだ痛む?」 彼の言葉に私は大丈夫と返した。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加