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そんな彼女の想いを知ってか知らずか、少年は懐からダガーを取り出すと指の先に小さな傷をつける。
その小さな傷からは血が少しづつ滲み出て、やがて一滴の雫となって魔法陣の上へ。
「…魔法陣、発動…」
その一言で赤く輝きだす魔法陣、これで召喚への準備が終わる。
少年は煩いぐらいに高鳴る心臓を押さえ付け、静かに言葉を紡ぐ…
「我は望む、忠実なる隷(しもべ)を…我は望む、信頼できる友を…君よ、我が名と血の導きによって姿を顕せ!!」
次の瞬間、世界が真っ白に染まった。
「うっ!…」
ハイデンは思わず目を覆って顔を背ける。
魔法陣の中心から爆発的な光りが溢れ出しているのだ。
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