放課後(橙×青)

6/15
前へ
/26ページ
次へ
学校から俺の家までは徒歩10分、浦正の家までは電車で2駅。 今までも、浦正は何度か放課後に俺の家に寄ったことがある。 授業とHRが終わり、浦正と2人で俺の家に向かった。 秋も深まり、だんだんと日が短くなってきた。 ちょうど、夕日が建物の向こうに沈むところだ。 いつものように他愛無い話をして、時折笑いながら肩を並べて歩く。 浦正の茶色がかった柔らかい髪が夕日に透け、首元のボタンを外した白いワイシャツがオレンジ色に染まる。 俺は、その美しさに一瞬息を飲んだ。 すると、浦正は 「どうした?」 と顔をこちらに向けた。 大きな目を見開いて、不思議そうに俺を見る。 俺は、やっとのことで声を絞り出し、 「…何でもあらへん」 と小さく言って、歩を速め、浦正の先に立って歩いた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加