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突然、壁に掛けてあった俺の上着の中で携帯の振動が鳴った。
俺はその音に我に返った。
そして、自分の手が浦正の頬に触れそうになっているのに気付いた。
「な…何やっとるんや!?俺…」
俺は、自分の行動に驚き動揺しながら、携帯を開いた。
浦正の提出物の進み具合を心配する伊藤さんからのメールだった。
俺は、「大丈夫!俺がちゃんと見とったから。明日は、ばっちり提出させるで」と返信した。
携帯を閉じると、伊藤さんと話す時の浦正の余裕のない表情やちょっと上ずった声が頭に浮かんだ。
俺は、悔しいような、何だかやりきれない気持ちになった。
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