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「最高学府先生に早速お客さんだよ~」
癪に障る言い方だな。そう愚痴りながらも渋々起き上がる。
「どうぞどうぞこちらへ~」
明音の声が居間から聞こえる。やる気がないという旨は伝えたはずだがな。
それでもどんな奴が来たのかと興味本位で居間の方を向く。
「貴方が……教師?」
俺の視界に入ったのは明らかに二十歳を過ぎた女性だった。
清楚でかわいらしく、高校生だと言われればそうだねと返す感じの風貌だが、いかんせん俺の人生経験の感が面倒だと伝えている。
「失礼。年齢は?」
「こら!お客さんに失礼でしょ!」
「いいって。私だって覚悟して来てるんだから」
「…………」
「25歳よ。これでいい?」
「……どうも」
俺より歳上じゃねーか。でもそういう人も中にはいる。
「ところでここに来たのは私が一番なのかしら?」
「はい。そういうことになります」
「……???何がだ?」
「これ」
明音は俺にチラシらしきものを見せつける。マジックで文字をデカデカと書いてあるだけの粗末な作り。
そこには一番始めに来た人の教材を使って指導していきますと書いてあり、
一ヶ月だけの集中講座。元最高学府生勉強の仕方教えます。と、書いてあった。
いつどこでどのタイミングで書いたのやら……。
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