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「お前は何をしたいわけ?」
思わず強い口調で話す。彼女は昔からそうだが、あまりに強引で、あまりに手早い。
「決まってるよ。君のお仕事だよね」
「別に俺は仕事がやりたいだなんて一言も言っていない」
金がべつにないわけではない。逆に余っている方だ。
「彼方ちゃんニートって知ってる?」
「ううん。わかんない」
「パパみたいな人のことを言うんだよ~」
「ふーん」と彼方は軽く流す。どうやら意味が分かってないようだ。
「ニートパパ。ニートパパ」
妹に言われたかねぇよ。
「まぁ、俺には高学歴があるからな」
「高ニート学歴。高ニート学歴」
「なんでそこでニートが食い込んでくるんだろうな。てか何だよ高ニート学歴って?」
明らかに嫌味。差別的な何かを、軽蔑的な何かを感じる。
「漢検みたいなもの?」
「お前漢字検定に謝れ!!そして一級を持っている俺に対しての挑戦と受け取った!!」
「残念。それは残像でした」
「意味わかんねぇよ!!」
実像はいずこに?
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