無知の幸せを作るために

２

「え～それじゃあまず数学１＋Ａを始めるから、１ページを開け」

確か整数問題だったよな。俺が論理と集合の次に嫌いな単元だったな。

「開きました」

と、彼方。

「いちいち言わなくてよろしい」

「閉じました」

「外で遊んでらっしゃい」

「はーい」

前途多難だのぅ……。

「先生ー早くしてくださーい」

でもまぁ、他の四人はやる気があってよろしい。にしても先生という響きはなんだかむずかゆい。

「整数問題の解き方というのは――――」

まあ一ヶ月。一ヶ月我慢すればいいんだ。

そしたら全てが終わるはずだから。