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2時間目――英語――
「とりあえず簡単に文法事項を押さえていく。テキストは配ってるから一通り目を通しておくように」
……つーか今時の参考書は良く出来てる。授業を聞かずに独学に走る奴が出るわけだ。ゆとり教育のおかげなのか?
変に勘繰っても仕方ない。
「それじゃあ今から問題プリント配るから、それで間違いの多かった問題を解説するというスタンスで行く。それ以外で分からないところがあれば質問するように」
――――その後、英語に関する質問は期待に沿える形でなかったのであった。
全問正解?
いいや。それはありえない。
2問程答えに誤植があるのが分かったからな。それに難問もチラホラあった。
要するに彼女達はこれを間違えだと知ったうえであえて質問をしないのだ。
これはあれだ。
俺に対する信用がまだ薄いのか、それとも分かったフリをしているのかのどちらかだろう。
まぁ、分かっているのならまだいいのだけれど……。
もし分かっていないならこれは相当ヤバイ。
転機がない限り今後も独学で済まそうとする。
しかしそれは後々どう転ぶかが決まる事でもある。
特に危ないのがなまじ勉強が出来る奴だ。分からないくせに答えを見て分かった気になる。そこはちゃんと対策を打たないと同じ問題でまたミスをする嵌めになり、悪循環に陥ってしまう。
習慣というものは実に恐ろしいものだ。
……とは言ったものの、もうすぐ俺は死ぬというのに果たしてそこまでこいつらを気にする必要はあるのだろうか。
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