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勝負をする・しない以前に解決しなければならない問題がある。
「……私に何か用でも?」
残り命23日、こいつらの存在は一刻も早く解決しておかなければならない問題だ。
どうしてこいつはみんなで食卓を囲む木製のテーブルにフォークを突き刺しているのか?
甚だ理解に苦しむ。
思わずどんな生き方をすればそうなるんだよ!!と問い質したくなる。つまり厄介な奴を生徒にしてしまったって事だ。
「まずそのフォークをどうにかしてくれる?みんなが使うテーブルだからさ」
一応明音や妹達には俺の家へ避難?させてある。美月は部屋に閉じ篭りっきりだ。
「それもそうですね」
やけにあっさりと彼女はフォークをテーブルから抜くと、真っ先にそれを俺に向けた。
「貴方は私の存在に疑問を感じています」
「……そういう振る舞いをするからな」
「これ以上詮索しないで下さい」
「それなら騒ぎを起こすな」
「お嬢様に屈辱を味わせたのは貴方です」
「お前それを過保護って言うんだよ」
「知ってます。だから何?」
「それじゃあ子供は育たない。いつまでもあのままだ。いつまでもな」
「いい。何か事件に巻き込まれるくらいなら、あらゆる手段を尽くしても私は守ります」
「…………あんた一体何があったんだよ?どうしてそんなに過保護にこだわるんだよ」
「……事件に巻き込まれないため」
「事件?何か嫌な記憶でもあるのか?」
「ふん。わざわざ貴方に教える必要はない」
「どうして?それが解決の糸口になるかもしれないのに」
「それが余計に話をこじらせる事にもなりかねます」
「例えば?」
「貴方がそれを私以外の人に話す」
「……そう簡単には話してくれないか。そうだよな、秘密だもんな」
「当たり前です」
「…………なら俺も絶対に他人に知られたくない秘密を話す。……秘密の共有といこうか」
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