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「へぇ、そうなの。なかなか演技が上手いね」という台詞は最期に取っておこう。
「成る程……」
人間の怖さを身を持って味わったわけで、しかしこう言っては悪いと思うが、
「ま、人としてそれが普通だわな。俺だったらもっと上手くやるけど」
俺の反応に面をくらった表情をする乙女さんだがすぐに笑い始めた。
「その反応、流石私達の先生の事だけはありますね。てっきりお嬢様を連れて逃げ出すのかと思いましたが、私の見当外れでした」
「じゃあもし逃げてたら?」
「さぁ?頭の良い貴方ならその選択肢は有り得ないと思いますが」
バラ
「だからのもし「殺します」……」
有無を言わせない彼女の言葉と瞳はマジだった。敵をいたぶりのに快感を覚えているような、そんな妖艶な瞳。
「秘密の共有。貴方も面白い事を考えたものですね。本当に面白い……」
「少しでも生徒の事は分かってあげないと。先生として失格だからね」
これ以上居ると変に勘繰られそうな気がしたので美月を呼びに行こうと立ち上がった。
「……絶対に……裏切らないでくださいね……」
その言葉に心を動揺させられながら。
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