第二話 アイドル兄妹物語

23/72
前へ
/500ページ
次へ
~In the dream②~ 「桜ちゃん、好きな子とかはいるのかな?」 「はい、もちろんです!」 (えーっ) 事務所の一室で桜が出演しているテレビ番組が流れている。 「ちょっ…おい、桜。この好きな人って…。」 「もちろん、兄さんの事だよ。」 駿の言葉に桜はソファーに座って笑いながら頷く。 「はぁ、社長に怒られるの…俺なんだぞ。」 「なんで?」 桜は続けて首を傾げた。 「なんでって…全国ネットで誤解が出るだろう?」 「変なこと言われても…兄です、って言えばいいんじゃないの?」 「………はぁ、ここまで来てまだわからないのか?マスコミには通じないんだよ。こっちが兄と言っても、兄のような存在とうやむやに捉えて面白く…」 「ねぇ。」 「なんだよ、人の話を聞い…!!」 駿は驚いて話を止めた。 なぜなら、桜の顔が目の前にあったからだ。 「兄さんは私の事が嫌いなの?」 「!!なっ……はぁ、嫌いだったら…プロデュースしてないだろう?」 「でしょ!ふ~ん♪」 駿の答えを聞き、満足げに桜はソファーに戻った。 「はぁ…。」 そこへ、 「黒川君。」 社長と思われる男が来た。 「な、何でしょうか?」 「ちょっといいかね?」 「はいっ。」 駿は男と奥の部屋へと行った。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加