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~In the dream②~
「桜ちゃん、好きな子とかはいるのかな?」
「はい、もちろんです!」
(えーっ)
事務所の一室で桜が出演しているテレビ番組が流れている。
「ちょっ…おい、桜。この好きな人って…。」
「もちろん、兄さんの事だよ。」
駿の言葉に桜はソファーに座って笑いながら頷く。
「はぁ、社長に怒られるの…俺なんだぞ。」
「なんで?」
桜は続けて首を傾げた。
「なんでって…全国ネットで誤解が出るだろう?」
「変なこと言われても…兄です、って言えばいいんじゃないの?」
「………はぁ、ここまで来てまだわからないのか?マスコミには通じないんだよ。こっちが兄と言っても、兄のような存在とうやむやに捉えて面白く…」
「ねぇ。」
「なんだよ、人の話を聞い…!!」
駿は驚いて話を止めた。
なぜなら、桜の顔が目の前にあったからだ。
「兄さんは私の事が嫌いなの?」
「!!なっ……はぁ、嫌いだったら…プロデュースしてないだろう?」
「でしょ!ふ~ん♪」
駿の答えを聞き、満足げに桜はソファーに戻った。
「はぁ…。」
そこへ、
「黒川君。」
社長と思われる男が来た。
「な、何でしょうか?」
「ちょっといいかね?」
「はいっ。」
駿は男と奥の部屋へと行った。
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