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「うーん、一雨降りそうだな…。」
駿は空を見て言う。
「降水確率は少なかったから大丈夫かな…。」
すると、
「こんにちわ。」
「Σ!?ど、どちらさまですか!?」
ネコ耳、首輪姿という異様な駿に声をかける女性がいた。
「私の名前は西園寺。」
西園寺という女性はスーツにスカート、いかにもキャリアウーマンだぜ!みたいな恰好であった。
「えっと、その西園寺さんは…どういったご用件で?」
「噂を聞いてね、喧嘩したアイドルの話を。」
西園寺の答えを聞くと駿は驚愕し、
「!?西園寺さん…あなたは一般人ではありませんね?」
深刻そうに尋ねる。
「ふ~ん、さすがに…あの人のところのアイドルね。そう…私はね、プロダクションに所属しているの。」
「!?961のような……。」
答えを聞くと駿は身構えた。
「961のような八百長プロと同じにしてほしくないわね。」
「え?」
西園寺は961プロと比べられたのを気に入らなかったのか、少し口調が強くなった。
「確かに私のところも実力主義よ。ただね、黒井と違ってアイドルの実力のみを信用しているの、だから負けたのなら即刻立ち去ってもらうということにしているらしいわ。」
「そうなんですか。」
「それで本題なのだけれど…。」
西園寺は元の口調に戻り、
「社長、に言われて…喧嘩中のアイドルさんを引き抜きに来た、って言ったら?」
「!!」
さっきよりも驚愕する駿。
「で、どうなのかしら。」
「させません!!」
そして叫ぶ。
「あら、喧嘩しているのではないのかしら。」
「あ、えっと…。」
駿が西園寺の言葉にしどろもどろとしていると…
「ふふ、そんな様なら大丈夫ね。いいことを教えてあげるわ。」
「いいこと?」
「ええ。えっとね、自分が相手なら…どんなことをしてほしいかしらね。」
「え?」
「私から言えることはそれだけ。頑張ってね、雨も降りそうだし…。また会いましょう。それじゃ。」
西園寺は帰っていった。
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