第二話 アイドル兄妹物語

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「ただいま戻りました。」 とあるプロダクションに一人のアイドルが帰ってきた。 「おかえりなさい、忙しいのにすまないわね。」 部屋の中心にある机に座って話をしているのは…大きなサングラスをかけた西園寺だった。 つまりここは西園寺プロダクション。 「構いませんよ。それで私に何のご用でしょうか?」 入ってきた少女は西園寺に尋ねる。 「765プロ、わかるわね。」 「(ピクッ)765プロ…。」 西園寺の言葉に少女は片眉を上げる。 「今回、うちからユニットを出すのだけれど…あの子達が出てくると思うの。」 「はい。」 「それで、あなたもたまにはここで仕事がしたいと思ったから…協力してくれないかしら?」 「仕事の場を下さるのなら、私は構いません。それに…。」 「彼でしょ?」 西園寺は少女が発言する前に尋ねる。 「ええ。」 少女はそれに対し素直に頷き… 「それでは、私は事務所に。」 そのまま部屋を去る。 「じゃ、頼んだわよ。彼女達はいると思うから…黒川桜。」 その時、西園寺は少女、黒川桜に声をかけた。 「…………待っててね…兄さん。」 桜も西園寺に聞こえないように呟いたのだった。
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