鬼の国~ヤマト~

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「うえぇ~…!」 ほんの少し開けた場所まで出るとそこには大きな滝があった。 「滝なんて始めてみた。…はあ~、すごいなぁ…」 予想ではあるが多分この滝は普通のよりは遥かに大きいものだと思う。 「さっき揺れたときこっちから大きな音がしたと思ったんだけど」 そう、地震のようなものがした時にこちらから何かが落ちてきたような音が聞こえてきたのだ。 「滝の音じゃないと思うけど?…あ」 ジッと目を凝らして見ると滝の下に人影が見えた。 「しゅ、修行かな?」 今時、滝に打たれて精神修行など、あまり常識だとは少年は思わなかった。 しかし、その人なのだが滝の中にいる所為か影しか見えなく、どのような人かは見当もつかなかった。 「ぅおおぉぉぉ!!」 「わっ!!」 突然、獣が叫ぶような大きな声を聞き、少年はその衝撃で尻餅をついてしまった。 次の瞬間だ。 「な、滝が逆流!?」 少年が目の当たりにしたのは大滝が全て逆流して真上に飛んでいるところだった。
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