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「突破したぞ。」
ほんの少しだがマスターがアイスクリームの箱からアイスをとりながらにやけていたのがわかった。
きっと息子にはとても甘い親なんだろう。
息子が甲子園に行ったことが嬉しく、つい口元がゆるんだんだろ。
そうなんだろ。
そうだよな。
普通の客に出すアイスの量じゃねぇよな、マスター!!
「へぇーすごいすね(アイスの量が)」
「本当にすげーわな…(アイスの量が)」
「だろう、だろう。ほら、今日は特別にアイス大盛りだ。」
「「(今日という日が来なければよかったのに!!)」」
目の前に究極の殺人兵器がだされたとたん、俺たちの気休めの会話は終わり、ついにデッドエンドの時間がきた。
「次に生まれるときには口がない者になりたい。」
「さようなら。お母さん、お父さん。」
俺たちは最後の言葉を言い、箸を掴んだ。
その時、女神が俺らに微笑んだ。
「お~か~も~と~くん♪遊びましょ。」
後ろを振り向いてみると、片手にバットや子供が持ち出したらいけないものやらを持っている、いかにも不良みたいな子達が数人。
「…………………」
その時の俺たちの顔はどんな顔だったんだろうな。その時俺は目の前にいる不良達が天使に見えたよ。ま、あと少ししたら本物に会えたんだろうけどな…
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