5人が本棚に入れています
本棚に追加
真治の出身地、鬼神村。少ない人口ながらも、千年以上前から存在する、長い歴史を持つ村だ。
村の言い伝えによると、この村では、鬼が村の番人。
鬼神村では、滅多に事件なんて起こらないし、千年と言う長い歴史も、鬼の加護があったからだと信じられている。
年に1度の祭りでは、鬼を崇める儀式もやっているし、この村の鬼に対する信仰心は、鬼神村の出身であれば誰でも知っていることだ。
そして、変な風習が鬼神村にはあるのだ。
それは、
”20歳になるまで恋愛することを禁止する”
と言うものだった。
片思いはしてもいい。ただし、男女として、性的な関係を持つことが許されない。
村人は全員、この風習・・・村の掟を守って生きてきた。
村を飛び出して、東京に出た真治も、村の掟を破ることは許されない。
だから、真治は未だに恋愛経験0だ。
だがそれも、この夏で終わる。
真治の20歳の誕生日は、夏休みが終わる直前、8月23日。
この夏休みが終わる頃に、真治も恋愛することが・・・つまり、誰かと付き合うことが出来る。
告白する相手は、既に決めてあるのだが・・・
(マジでドキドキ・・・)
まだまだ、誕生日までに1ヶ月あるのだが、告白の瞬間を考えると、胸がドキドキする。
はやる気持ちを抑えつつ、真治は村へ向かって歩いていった。
最初のコメントを投稿しよう!