幼なじみ

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真治の出身地、鬼神村。少ない人口ながらも、千年以上前から存在する、長い歴史を持つ村だ。 村の言い伝えによると、この村では、鬼が村の番人。 鬼神村では、滅多に事件なんて起こらないし、千年と言う長い歴史も、鬼の加護があったからだと信じられている。 年に1度の祭りでは、鬼を崇める儀式もやっているし、この村の鬼に対する信仰心は、鬼神村の出身であれば誰でも知っていることだ。 そして、変な風習が鬼神村にはあるのだ。 それは、 ”20歳になるまで恋愛することを禁止する” と言うものだった。 片思いはしてもいい。ただし、男女として、性的な関係を持つことが許されない。 村人は全員、この風習・・・村の掟を守って生きてきた。 村を飛び出して、東京に出た真治も、村の掟を破ることは許されない。 だから、真治は未だに恋愛経験0だ。 だがそれも、この夏で終わる。 真治の20歳の誕生日は、夏休みが終わる直前、8月23日。 この夏休みが終わる頃に、真治も恋愛することが・・・つまり、誰かと付き合うことが出来る。 告白する相手は、既に決めてあるのだが・・・ (マジでドキドキ・・・) まだまだ、誕生日までに1ヶ月あるのだが、告白の瞬間を考えると、胸がドキドキする。 はやる気持ちを抑えつつ、真治は村へ向かって歩いていった。
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