幼なじみ

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森のカーテン、と言えばいいのだろう。 日差しは、木々から生い茂る緑の葉っぱが遮ってくれる。 うだるような暑さでも、鬼神村へ続くこの道だけは、涼しく歩きやすい。 (みんな・・・どうしてるかな・・・) 村には、真治と同い年の幼なじみが5人居る。 彼らは、高校を卒業しても、みんな家に残っていた。 真治のように、村の外へ出て勉強できるほど、裕福な家ではない。 その分、真治は幸せだったといえるのだろう。 真治が唯一、村の外で生活できる可能性を持っているのだから。 (将来・・・みんなで一緒に、村の外に出られればいいな・・・) それが、真治の夢だ。 誰か1人でも欠けてはいけない。幼なじみ6人は、死ぬまでずっと友達。 そのためにも、真治の告白は、絶対に成功させなければならない。 (うぅ・・・やっぱ緊張してきた・・・) と・・・村の外に一番近い建物が見えてきた。 それは・・・村と外を繋ぐライフライン。変電所。 ここに何かあったら、村に電気が届かなくなる。 すぐ横に、変電所の整備士が寝泊りできるようにと、バラックのような小さな小屋が建てられている。 それが、村の入り口。後5分もしないうちに、村が見えてくる。 1軒・・・また1軒と、民家が見えてきた。 そして、森を抜けると・・・ 「よぉ~」 「元気してたか?」 「相変わらず澄ました顔だなぁ」 「変なこと言ってからかわないの!」 幼なじみたちが待っていてくれていた。その後ろに・・・ 「おかえり、真治」 真治が好きな・・・楓も立っていた。
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