幼なじみ

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「まず龍二、お前のほうが澄ましてるぞ?」 「るっせぇ!」 真治に澄ましてる、と言い放ったのは、幼なじみの中で一番誕生日が早い、朝倉龍二。 龍二の誕生日は、4月15日。誕生日が早いだけではなく、みんなの中では、一番強い。 背も高く、力持ちで、その上傲慢。 みんなのリーダー的存在だ。 「ほらほら、2人とも。せっかく真治が帰って来たんだから、突っかかっちゃダメ」 2人の間に入っているのが、幸島華子。 龍二が暴走したとき、それを止めるのが、華子の役目。 巧みな話術を使って、龍二を黙らせてしまうのだ。 まぁ、理屈っぽくて、やかましいだけだ、と言ってしまう事も出来るのだが・・・ それを言ったら、龍二の暴走を止められる奴が居なくなってしまうから、誰も言わない。 「これはスキンシップだよ!な、真治」 「どうだかな~」 「澄ましてんじゃねぇ!!!」 「龍二、怒るよ!!!」 犬猿の仲だったこの2人、実は付き合っている。 華子の誕生日が、6月4日。その日に龍二が告白したというのだから、龍二はずっと華子のことを想っていたのだろう。 この話を聞いたときは、真治も焦ったものだ。 でも、幼なじみ同士のカップルが誕生したことは、真治にとっても励みになった。 これで、自分も頑張ろう、と思えたのだから。
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