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「鈴!!今日は入学式だな!!お父さんが盛大に祝うぞ!!!」
オレの目の前で飯を食いながら叫んでいるこのイタい髭達磨が認めたくねーけどオレの父親だ。
『ウザ…。(ボソッ』
ウザイぐらいガキみてーに年甲斐も無くはしゃいで居た親父につい本音が出ちまう。
「Σ(°Д°;)ガーン」
うわ…。
イタいし、ウザすぎる。
自分で効果音付けるとか…イタすぎ。
「そーだよ。ヒゲ。鈴姉ちゃんを祝うのはあたしと柚子だけで十分だ!!」
つり目の黒髪。
コイツは妹の花梨。
そこまで嫌いじゃねー。
寧ろ大事な妹だ。
「花梨ちゃん…お兄ちゃんは?」
親父の茶碗に飯を盛りながら話に参加してきた、クリーム色の髪は妹の柚子。
柚子と花梨は双子だ。
花梨はオレの大嫌いな片割れに顔付きは似ていて、柚子はオレに似ている。
オレの嫌いな奴に似ているからって花梨を嫌いになるようなオレではない。
寧ろ、オレはシスコンだ。
『アイツなんか髭達磨に任せとけって2人が祝ってくれたらオレは嬉しいぞ、花梨、柚子。』
シニカルに笑いながらそう言うと必ず柚子と花梨は頬を赤く染める。
熱でもあるんじゃねーの?
「はよ。姉貴。」
リビングに入ってきたのは、相変わらずのオレと同じオレンジ色のツンツンウニ頭。
目つきの悪いコイツが双子の弟。
一護。
俺の嫌いな奴だ。
『柚子、花梨、ヒゲ。オレ電車だからもう行くわ。』
とりあえず、完全無視。
だって、嫌いなんだもん。
「一兄おはよ。鈴姉ちゃん相変わらず小食だね。」
花梨、あんな奴に挨拶しなくて良いんだぜ!!
っかするな!!
オレが許さねー。
『朝は食えねーんだよ。御馳走様。柚子』
家事はほとんど柚子がやっている。
「お粗末様です。」
オレは皿をシンクに片付けて、今度はアイツの飯をよそっている柚子と髭達磨と言い争いをしている花梨の頬にキスをした。
まぁ、コレは毎回恒例だ。
オレ、数ヶ月前までアメリカの大会に出るためにアメリカに居たからな。
向こうじゃコレが挨拶だったし。
ある意味癖になっちまってるんだ。
まぁ、柚子と花梨と可愛い後輩にしかしねーけど。
真っ赤になっている二人を見ていると、家のインターフォンがなった。
『お、ジャスト。相変わらずだなー恭弥も。じゃあ行って来るわ。』
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