53人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
ドガァ。
鈍い音が車内に響く。
「グッ」
オッサンのカエルが潰れるような声。
先ずは脂ぎったオッサンを右足で蹴り上げた。
オレの右足はオッサンのタプンタプンな腹に食い込みオッサンを床に叩き付けた。
『もぅ、いっちょ!!』
バキッ
「ぐへっ」
今度は左足を回し蹴りでボサボサ頭の青年をオッサンの上に蹴り倒した。
『おい、てめーら。何痴漢なんか最低な事しやがんだ?なぁおい、オッサンよぉ。』
シニカルに笑いながら、オッサンの上に重なり倒れこんでいる青年の腹の上にロウファーを叩きつけた。
青年とオッサンは顔を青ざめさせ、周りの人間は何故か顔を赤らめながらこっちをぼーっと見詰めていた。
タイミングよく、車掌がこの列車に入ってきたのをオレは 確認した。
「お、お客様!?」
何が起こっているのか分かっていない車掌は慌ててオレらの方に向かってきた。
『車掌さーん。コイツ等痴漢です。』
足をどけながら、車掌に訴えた。
「あ、あの、本当です。私、わたし…。」
驚いている車掌にコイツは自分が被害者だと名乗りでた。
『サンキューな。おぃ、あんた。オレは雲雀恭弥の関係者なんだけど?黒崎って言ったら分かるか?今すぐ恭弥をこの場に呼び寄せても良いんだけど?』
まぁ、雲雀財閥はJR関係もしているお偉いさん。
JR関係者なら誰もが知ってる名前。
一応、恭弥はオレを気に入って居るらしい可愛い後輩は呼んだらすぐ来るだろうな…。
そして、JR関係者にとっては呼びたくない人間だ。
「く黒崎様ですか!?」
そして、雲雀のお気に入りとして何故か黒崎が有名だったりする。
入学式早々にめんどう事はごめんだしな。
まぁこういう時はわりーけど恭弥をつかわせてもらう。
.
最初のコメントを投稿しよう!