―始まりの歴史―

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遠い昔、戦争が起こった。 一人の奴隷による貴族達への“ゲコクジョウ”。 上流階級である貴族と奴隷達の戦争。 家畜同様に扱われた奴隷は目を血走らせ、貴族に挑む。 一方、貴族は己の手を汚さず兵士を使い、奴隷を虐殺した。 奴隷は次々と殺される。 しかし、奴隷にとって不利に見えた戦況は平民によって崩れた。 貴族に恨みを持つ平民が奴隷に味方し、貴族と戦った。 一気にガラリと変わった戦況に貴族達は焦った。 一人の貴族が前に出て剣を掲げ、叫んだ。 『役に立たない家畜奴隷など殺してしまえ、我等は全能なる神の人種だ!』 その言葉に心を動かされた他の貴族も武器を持ち奴隷と戦う。 戦争が長きにわたり続き、両軍死人がたくさん出た。 その時、一人の放浪者と名乗る者が現れた。 放浪者は奴隷と貴族の間に立ち涙を流して叫んだ。 『もうやめてくれ、これ以上戦わないでくれ』 その後、放浪者は貴族の軍と奴隷の軍から一人ずつ代表を決め、法を創り、領土を決めた。 法は“平和条約”。 領土は“領土決議制度”。 そして最後に互いの武器を掲げ、“貴族と奴隷は今後一切会うことを禁ずる”と誓いを立てた。 平民は貴族と奴隷の領土を行き来することを許可し、放浪者は息を引き取った。
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