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最高の花布団で寝ていると叩き起こされた。
「オレの昼寝を邪魔する奴は誰だよ」
「あなたバカですか!?
フィールドの中で寝るなんて自殺行為ですよ。丁度わたしが通りがかったから良かったものの、死にますよ」
十代後半の少女がオレに怒鳴りつけてきた。
少女の心配も分かるが、オレもこの花の生態を調べてこの花の上にいるんだ。
「襲わないよ。この花は花粉をまき散らしてモンスターの視界から消してくれるんだ。
だからお前だって襲われてないだろ。」
「そうなんですか!!?
そ、それじゃ、寝ているとこ起こしてすみませんでした。」
少女は驚いた後、恥ずかしそうに微笑みながら再度寝ることをすすめてきた。
ちょっとその態度に思い当たることがあったから聞いてみた。
「もしかしてアイアンベアーに襲われて命辛々ここにたどり着いて怖いからオレに側にいて欲しい、って言いたい?」
ちなみにアイアンベアーとは攻撃力と防御力が高い《ケモノ》種族のモンスター。遠距離系の技を一切持ってないので攻撃しやすい部類にはいる。倒せるかは別問題として
「はうあ。言い当てられました。
やっぱおかしいですよね。その危険も含めてルージャの森に来たのに、怯えて一歩も進めない、なんて」
ルージャの森というのは34層の森、つまりここのことだ。
「何でこの森に入ってきたんだ?」
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