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でもテルーは真剣な顔つきで顔を近づけて言った。
「ユウヤさんって、ほんとに何者なんですか?
あの事件を知らないなんて。」
本当に何の話か分からないから困惑した。
「あの事件って?」
「二ヶ月ぐらい前、10層のエリアボスがいた場所に踏み込んだ人たちがいたんです。
どうせ何もない場所だから安全に帰ってこれる。
そうたかをくくってたんです。
だけど、10層のボスエリアに入った瞬間、フロアボスに遭遇したんです。
その人達は最低でもLv213だったから何とか倒したらしいけど、ミドルプレイヤーは誰もボスの居場所を知らないから、怯えてる人が多いんですよ。」
「なるほど。じゃあワンフロア100ガルドで売ろうかな?」
冗談だけど。ただ、この話は攻略組には話せない。
もし話しでもしたら、攻略組の奴等がわんさか押し寄せてミドルプレイヤーのレベル上げが困難どころか不可能になる。
かと言って『残光のガイア』での情報は有料なのが決まりだ。
聞いたからにはどうにかして解決しないと。
だがそんなオレの考えを打ち消すようにテルーは口を開いた。
「そんな事しなくても最近は攻略組に話そうって成りだしてるんです。」
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