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「知ってる?ゆかちゃん。女の子って死ぬときが一番しまるんだって」
何、それ…。
カチルの右手が私の首にある。笑い飛ばせる冗談じゃない。
「カチルそれマジ?」
「何キサト。知らないの?」
笑い混じりにキサトが話す。
此処に救世主は存在しない。だから自分の身を呈して助けてくれる人なんか居ない。
「止めなよカチル、キサト」
嬉しい、と思ったと思う。助けてくれると思った。
「…なぁにレン。邪魔するの?」
「まさか。殺すのが女なら俺の仕事だろ?」
―――――――希望は呆気なく朽ち果てる。常識は何時だって裏を返す事を忘れてた私を恨めしく思う。
「っはははは!レンらしいな!いーぜ。殺るのはレンに任せる。くくっ」
「じゃあキサトがヤっていーよ。僕は後で遊ぶから」
「ん?いーのかよ」
「いいよー。綺麗な女の子は逝った後が綺麗なの」
―――…彼らは私の知ってる彼らじゃなくなっていた。
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