命がこの世にある限り SideA

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僕は天を呪った。   みゆきは…彼女は僕の全てだった。   事故だった。   彼女は僕の目の前で死んだ。   楽しかったはずのあの日の別れ際、彼女は僕に手を降りながら横断歩道を渡ろうとした。   歩行者信号は青。   彼女は一歩踏み出すと、体を前に向けた。   居眠り運転のトラック。   悲鳴をあげる間もなく宙に舞う彼女の体…。   想像してみてくれ。   最愛の人が目の前で生を断たれてしまう。   僕は天を呪った。   僕は全てを呪った。
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