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そんな佳穂に栞だって引かないわけで
「じゃあ、塾終わった後は?」
「……7時からなら、多分「本当!」えっ、う、うん。」
しばしの沈黙の後、渋々といった感じで発した佳穂の声と栞の盛大に喜ぶ声
第三者から見たら、おもちゃを欲しがる子を甘やかす母みたいだ
「で、でも、7時からで栞は大丈夫なわけ?」
「うん!」
「……暗いのに親心配しない?あたしは塾が長引いたって言えば大丈夫だけど」
「夜に遊ぶなんて、いつものことだから、今さら心配しないよ。それに今日は2人とも11時すぎまで帰ってこないしね!
じゃ、そういうことで
待ち合わせ場所は後でメールするね。じゃあお先に~」
「うん…あとで……」
笑顔で教室を後にする栞に
おそらく、栞には聞こえないであろう、今にも消えそうな声で見送る佳穂は
後悔した。
これが始まりだったのかも知れないのだから。
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