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大男の武器は巨大な斧。
僕が今装備しているのはナックルであるので、防御はできない。
――刃とかならなんとか防げるんだけどな…
僕の手の甲から肘の途中までが鉄で覆われているので、刀などなら防ぐことが出来るのだが、流石に巨大な斧となると防ぐことが出来ない。
「ふっ!」
少し息を吐いて大男が斧を振り下ろしてきた。
「そんな攻撃は当たらないよ!」
直線的で、軌道もすぐに読めるので難なく避ける。
ドゴンッ!
斧はそのまま地面に叩きつけられたが、その叩きつけられた地面は大きくへこんでいた。
――なんて力だよ…
このゲームの中では身体能力等が比較的上がる。
だからこんな芸当ができるんだろうけど…
「智明~、流石に一発でも喰らうとアウトだぞ~」
後ろから緊張感のない龍の声が聞こえてくる。
――まぁ緊張感がないのは当たり前…かな?
目の前にいる敵は力こそあれど、そこまで強い。とは思わない。
――何発で終わるかな…
僕は拳に力を込めて、瞬時に大男の懐に潜り込んだ。
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