マークの猫

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マークは新聞を読んでいた。 新聞は聞くとあるのに見るものである これはおかしい 新見と名前を変えるべきである  マークは新聞社に電話をかけて抗議をしようと考えたが面倒だったので思いとどまった  ぺらぺらとページをめくると、猫の餌やり裁判の記事があった  集合住宅の庭で元名人が野良猫に餌をやっていたため、他の住人がそれを止めるようにと裁判を起こしたのである  そして裁判所は、200万円の賠償金の支払いと餌やり停止を命じる判決をだしたのである  マークはこの記事を読み激怒した 「なんで餌やりをしたらいけないんだ 困っている者に情けをかけることがいけないことなのか この裁判を起こした奴らに抗議しよう」 マークはすぐさま出かける準備をし、例の集合住宅に行った 「こんな高級なところに住んでおきながら、弱者に手を差し伸べた者から金をふんだくるとはけしからん」 マークは大声で「やい、でてこい」と叫んだ すると住人がでてきた マークは何故餌やりをしてはならないのかと聞いた 「困っている者や猫に手を差し伸べる優しさは、人と人との希薄化が進む現代においては極めて重要なことではないのか?何がいけないんだ」 すると住人は答えた 「猫を思いやる気持ちはいいことだと思います。しかしこの敷地内で無秩序に猫たちが昼夜、出入りし糞をするんです それが問題なんです」 マークは怒鳴った 「生き物なら糞くらいするだろ じゃあお前は糞をしないのか?え?自分は良くて猫はダメってどういう理屈だよ」 住人は面倒くさそうな表情をした 「私達はちゃんとトイレでしますし、それに私達はお金を払ってここに住んでいるのです 快適な住居環境を求めることは当然ではないでしょうか?」 マークはコニーデの如く爆発した 「金がなんだってんだ 金より大事なもんだってあるだろ   ちょっとばかし金もってるからっていばりくさってんじゃねえぞ 猫のトイレを作ってしつけてやればいいことだろ そういう努力をする気はないのか?怠け者だなお前」 マークはそいつを投げ飛ばし去っていった そうだ 裁判所にも文句を言いにいかねば しかし、自分も今度裁判を起こす予定だ だから裁判所の機嫌を損ねる行動は慎んだほうがいい 悔しいが資産家のじいちゃんを養子にするためだ 金のためには我慢せねばならんこともあるのだ
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