灰かぶりの雑用

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「ありがとう、南子さん。いっつも助けられてるね、僕ってさ。」 幸絵が全客の前で再試をバラされ、慌てて帰っていくと律都が静かに笑った。 「なにいってんの。あんたは息子同然なんだから。 それは良いとして、あんた学校遅れるよ?」 慌てる南子をよそに、律都は諦めの入った言葉を返す。 「ダメだよ。義母さんがダメだって…」 「あんなスカタンほっときな!私がどうにかしとくから、あんたはさっさと学校行きなさい!」 南子は律都が持っていたトレイをもぎ取ると、ニコッと笑った。 律都はその笑顔に目でお礼を言い、スクールバックに飛びつくと全力疾走で店をでた。 「あんな可愛い息子に手ェだしたら、あの女マジでぶっ潰してやる。」 律都の後ろ姿を見ながら、南子は呟いた。あの女とは勿論、意地悪な継母である。
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