青磁の髪 翠の瞳

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少年が十二を数える冬のこと。 しんしんと雪が舞い降りて、音を奪っていくような雪の日。 少年は自分の部屋で眠ろうとしていました。 その時、玄関の方がうるさくなったのに気付きました。 それは怒鳴っているようでした。 少年は気になり、そっと部屋を出ます。 足音を立てず玄関からは死角になる扉から覗き込むと、父親によく似た顔立ちの男が父親と言い争っていました。 「早くあのガキを出せ!」 「兄さん落ち着いて」 父親はその男を兄と呼ぶ辺り、少年の叔父に当たる人物だと分かりました。 しかし、様子がおかしい。
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