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クワジの親父さんは居酒屋『畳み』のオーナーで、この夏は千葉県の木更津で実験的に海の家をオープンさせる予定なんだけど、バイトの手が足りないらしく、息子のクワジに手伝えと言ってきたというのだ。
千葉県の木更津は偶然にも今回の合宿地の隣。クワジはなぜだか自分の働いている姿を、万が一にもみんなに見せたくないという理由で断ったらしい。
そこで、もしよければ俺に働かないかと提案してきたのだ。
「なんだよそんなおいしい話、俺が嫌がる訳ないじゃん。やる!やらせて」
「そんな気軽に引き受けていいのか?もし学校にバレたら大変だぞ」
「別にバレたところで大したことないだろ。せいぜい説教くらうくらいが関の山」
「まあそれはまだいいけど…いや、よくないよくない。それにそれだけじゃないからな…」
「なんだよ?勿体振らずに教えろよ。まさか鯛とか平目の着ぐるみ着て接客するとかそんなんじゃないよな」
「…………」
「それじゃ海の家じゃなく竜宮城になっちゃうしな。」
「………………」
「黙ってないでなんか言えよ!どんな海の家なんだよ」
「…………メイド喫茶海の家」
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