育斗14歳の夏

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「お前の親父、気は確かか?突っ込みどころ満載でどこから突っ込んでいいのやら」 「まず息子であるお前にメイドの格好させようとする神経を疑うぞ。百歩譲って娘だったと仮定しても、中学生にやらせることじゃないだろ」 「うちの親は普通じゃないからな…母さんもメイドの格好できるって浮かれてたよ」 「それも無理あるな。浮かれるっつーか確実に浮くだろ。ひどいにもほどがあるな…俺の親父もひどかったけど、お袋はまともだ。両親がそんなんでクワジがグレてないのが奇跡だよ」 「俺が拒否ったら父さんも母さんもがっかりしてたよ」 「いやいやいやいや、そこは逆だろ。息子が女装してメイドのバイトしてたら親は泣くとこだぞ」 「いいんだ、もうあきらめてる。あの人達の優先事項は1に楽しいことだからさ…」 「で、どうする?店が繁盛すればバイト代もはずんでくれると思うけど」 「よし、やる!なんて言うわけねーだろ。なにが悲しくて人生最初のバイトでメイドのコスプレしなきゃいけねーんだ」 「だよな。普通そうだよ。それじゃあなにかその他の裏方の仕事を手伝えないか聞いておくからさ」 「そっちのほうで頼むよ。調理でも皿洗いでもするから」 「ねえ、それ私がやる!一度メイド服着てみたかったんだ」 「なに血迷ってんだ美耶!だめだ!俺が許さん」
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