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       『ふぅ………』  読み掛けの小説を  閉じ、椅子から  立ち上がった。  窓の外は暗く、  小説を読み始めてから  もう"何時間"も経ってる  事に気付かされた。  「また読書」  『…………』  俺が見ていた窓の隣が  勝手に開き、急に  冷たい風が入った。  『窓から入んなっての』  溜め息をついてから、  "こいつ"を軽く叩く。  「痛っ」  『黙れ』  こいつは弟にあたる  -黒-。  雄也………  雄也は唯一、人間…  いや、人形離れした  能力の持ち主。  黒い綺麗な羽を広げると、  DOLLSにしか雄也の  姿は見えなくなる。  だからこいつは  飛び放題。  「まただぜ?」  「逃げて来た」。  そう呟いて勝手に  ベッドに座った。  俺と雄也は…  "全て"を知ってる。  -紅-や-碧-の  兄様達が知らない事も  全て…ね。  
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