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寒そうに裸で
震える慧。
今の慧を兄だなんて
思え無い…。
なんでこんなに
儚いんだ?
『あ…ゴメン、つい』
手を離し、自分の髪を
クシャクシャにして、
慧から視線を外した。
『…………はぁ…』
自分の真っ黒に
染まった爪を見て、
小さく溜め息をつく。
『慧』
「……………」
『お前がここまで
追い込まれるなんて……
紅薔薇(兄様)になんか
言われたのか?』
「そんな事…」
でも、それだけで慧が
ここまで動揺する
筈が無い……。
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