-6-

3/6

288人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
       『これが黒の能力?』  宏太の頭を自分の膝に  乗せ、唾液を服の袖で  拭いながら言った。  「まぁ」  黒は、翳していた  右手をゆっくり下ろして  小さく笑った。  『…で?話しって何?   本当は端から俺"だけ"に   あったんだろ?』  「クスッ。流石、碧薔薇の   兄様………」  『飾らなくていい。   疲れるだろ?』  宏太の前髪を撫でながら、  黒に微笑む。  「そこまで…」  『俺は知ってたよ。抑、   "目は"いいからね』  「…ならいいや。あーあ。   疲れたぁー」  バサッと羽を出し、  コーヒーを口にした黒。  「俺が思うに光兄(にい)も   宏太兄以外の奴の事は色で   呼んでるんだろ?今だに   俺も黒、だしね」  『………』  「図星。俺だって慧と   行動してんだぜ?   それくらい解るよ」  コーヒーカップを  置いてから、長い指で  俺を指差した。  図星をさされ、  宏太に触る手を  止めた。  
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

288人が本棚に入れています
本棚に追加