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       「てめぇ、慧に   何してんだよ」  『ゆ、や………』  後少しで唇が紫の  首に当たりそうに  なった時………。  紫の背後に、  雄也が立った。  「何って………   等価交換?」  「…ざけんな………」  雄也が右手を  紫に翳した。  その刹那に悟った。  『ダメっ雄也っ!   魔力は!』  雄也の態度に紫の  目や髪が徐々に  紫に変わって行った。  二人とも本気で  殺(や)り合おうと  してる………  『なんで…………』  紫が立ち上がり、  俺を掴んでいた茨も  消えて行った。  「黒羽(くろばね)の兄様が   ここまでお怒りに   なるなんてねぇ」  紫の挑発的な口調に  雄也は羽を広げた。  「正直俺、碧薔薇より   慧の方が大事だから。   紫なんかに慧だけは   渡さねぇよ」  
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