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       『ハハッ………!』  音は何もしない。  勿論、大貴の  声もしない……。  「ゆ、や………?」  地面に座り込んでいた  慧が、その場から  俺を呼んだ。  『……………』  解ってた。  慧の"恐怖"に  満ちた顔………。  「紫、は……?   何処…行ったの?」  "黒"の本当の能力を  見せたのは今日が  初めてだった…。  だからこそ、解ってた。  慧にすら、  恐れられる事くらい。  「なんで………」  これが"黒"の  能力なんだよ。  俺の気に包まれると、  1時間弱"闇"に  連れて行かれる。  "闇"は酷く孤独…  きっと、大貴が  戻って来る時に大貴に  "光"は無いだろう。  『慧………』  ゆっくりと慧に  歩み寄る。  慧の体が震えてた。  「い、や…嫌……   こんなの違うよっ………   雄也はこんな事…   しないっ……」  
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