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「なんで…私達、出会ったんだろうね」
彼女には一筋の涙が流れていた
涙が視界の邪魔をする
彼女の表情が良く見えない
きっと、哀しい表情をしてる
「だから、最初から貴方が嫌いだった」
声を震わす彼女は
言葉を失うほど綺麗に見えた
きっと、“彼"のことを思って―
「……」
黒い艶のある髪の毛
睫毛が長くて大きな瞳
真っ白い頬
君は誰もが認めるポーカーフェースなのに
なんで涙なんか…
いつもは俺のことを
『あんた』って呼ぶくせに
なんで今、改まって『貴方』なんて言うんだよ
なんでだよ
なんでだよ
すっごく悲しい
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