えり

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「なあ、この後ひま?」 教室全体がざわついた。 俺がしようとしてることを分かってんだろうな。 まあこれも気にしてたらキリがない。 「うん、ヒマだよ」 女は、やっぱり笑顔で答えた。 だが、次の言葉に耳を疑う。 「ありがとう、声かけてくれて。やっぱり転校初日って緊張しちゃって。 ―――でも、あなたは嫌」 「…は?」 「あなた、私の友達を傷つけたの。だから、嫌」 何を言われたのか。 ぶっちゃけ分かんなかった。 そのまま帰ろうとする女の腕を掴む。 「ちょ…待てよ!意味分かんねえよ!」 パシンッ… 乾いた音。 熱い頬。 ああ…叩かれたのか。 .
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