覚醒

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「で、気になる年齢はー……、知らない」 「………」 「……だって教えてくれないんだもん……忘れたとか言っちゃてさ……じじいって呼んだら蹴るし……」 オルシスは切なげに下を向いた。 吸血鬼に限った話ではないが、魔物は生きた年月で力が決まることが多い。 「……でもでも、ボクが拾われた時には三桁はいってたよ。多分」 「……そこまで話したのだから、こちらの素性も勿論話させるつもりですよね?」 だいぶ声が出せるようになった。 「あ、ばれた?」 オルシスが舌を出す。可愛らしい仕草だったが、舌が腐って変色していたので台無しだった。
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